AI技術✖︎ポッドキャストの親和性

2023年07月26日 06:00

2023年突如として現れた『ChatGPT
これは「チャットbot(対話型AI)」と呼ばれる技術で
高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。

たちまち無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、
生成した文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで大きな話題となりました。

2023年上半期は『AI』を使ったサービスが多数登場し、
・ChatGPTのような質問に答えてくれるAI
・詳細を文章で打ち込むだけで画像を作れるAI
・作成したい音楽のキーワードを入力すると、イメージに合った音楽を生成するAI

クリエイター顔負けのサービスが多数登場してきました。

 

ポッドキャスト業界におけるAIの活用方法

日本のポッドキャスト業界でもAI技術を使ったサービスが登場しました。
現在筆者が使っているサービスは
・summary FM
・LISTEN
・canva

 

summary FM

音声ライブ配信アプリstand.fmが開発した字起こしサービス
無料で音源のURLか音声素材をアップすると
・全文の文字起こし
・見出し(詳細付き)の生成
・タイムスタンプの生成
・サマリー(どんな内容なのか簡単にまとめ)の生成

を2~4分程で行ってくれる。
しかも『日本語・英語・中国語・ヒンドゥー』4ヶ国語に対応(制作者の遊び心で絵文字での文字起こしもあり)

2つの使い方をお薦めすると

①ポッドキャストの詳細文の生成

筆者が配信しているポッドキャストが出来るまでという番組の詳細は
summary FMで生成⇨「てにをは部分」をChatGPTで修正している。
番組アップ時にEPの詳細を始めから聞いて思い出す必要もない為
番組詳細部分のクオリティを簡単に上げることが出来る。

またタイムスタンプも聞きながら測る必要も無いので
時短にも繋がる。

 

②海外ポッドキャストを聞く

外国語に対応している事で海外のポッドキャストがどんな内容なのか
簡単にまとめてくれるのは世界のポッドキャストに興味がある人や
語学学習したい人におすすめしたいポイントである。

例えば海外の面白そう!と思うポッドキャストを見つけて
音源を読み込ませる事でこんな感じに文字起こしを生成

全文をコピーしてGoogle翻訳やDeepL翻訳にかけて日本語訳を生成。
要約するとこのポッドキャストは

このエピソードでは、18世紀のロンドンで活動していた秘密結社「ヘルファイア・クラブ」のスキャンダラスでミステリアスな活動を探る。このクラブは冒涜的で不正な行為を行っていると噂され、メンバーは動物の格好をしたり、聖書の登場人物のパレードをしたりした。その集まりでは、性的に挑発的で冒涜的な食事が振る舞われたという話もある。

という内容だったことを英語が全然分からない人もでも理解出来るように変換してくれる。

LISTEN

音声を自動文字起こしできるポッドキャスト向けサービス「LISTEN(リッスン)」

LISTENは、AIによる文字起こしなどによりポッドキャストを活性化し、
番組を配信するポッドキャスターとリスナーにとって、
ポッドキャストの魅力を高めるサービスを目指すとの事。

 

こちらはRSSを登録する必要がある為、自分が配信している番組のみのサービス。
出来る事は

・全文の文字起こし
・見出し(詳細付き)の生成
・タイムスタンプの生成
・複数人の話者を自動で識別←summary FMには無い
・文字起こしされたテキストを選ぶと、任意の場所から音声で再生できる(LISTENのサイト上)
・ポッドキャストの内容をテキスト検索(LISTENのサイト上)
・ユーザー登録すると好きな番組をフォローしたり、コメントを残せる(LISTENのサイト上)
・文字起こししたテキストを検索エンジンにインデックスしない設定
・文字起こしの優先処理やポッドキャストの限定公開、エピソードの有料配信などの機能が利用できる有料オプションの提供も予定

 

LISTEのサイト上で配信者、リスナーの交流が出来る文字起こしサービス。
summary FMには無い「複数人の話者を自動で識別」を行ってくれるので、
ブログの対談記事の文字起こしとして使っています。
サイト上の表記はこんな感じ

 

 

canva

 

「ポッドキャストのサムネイル制作最強ツール『Canva』」という記事を8/14に公開予定ですが
Canvaはポッドキャスト配信者におすすめの画像作成ツール。
豊富なテンプレートがあるので誰でも簡単にサムネイルを作ることが出来ます。

そんなCanvaの中にある機能『Text to Image

Text to Image機能の使用方法のデモ

公式サイトの使い方動画参照

使い方も簡単
①複数の単語を入力
②写真やコミック調などスタイルを選択
③好みのサイズや縦横比を選択
4つの画像が生成されます。

 

筆者は怪談のポッドキャストのサムネイル制作に『Text to Image』を利用
『日本家屋 不気味 たたずむ人』⇨写真のスタイルで生成すると以下の4枚が完成

同じ条件のアニメ風

同じ条件の映画風←これが1番好み

個性的なサムネイルを制作出来ます。
(エログロな作品はcanvaの検索でアウトな為、生成出来ません)

 

 

AI音声を使った模倣番組

最後は日本ではまだ未実装な注目すべき海外のポッドキャストAI技術をご紹介します。
ElevenLabs、WondercraftAI、Podcastleといったスタートアップが、ほんの数分でAI音声を生成できる手軽なツールを発表

ジョー・ローガンの音声がAI生成され、同じくAIで生成されたゲストたちの音声と対談している
「The Joe Rogan AI Experience」という番組では、これまでにOpenAIのCEOであるサム・アルトマンや、
元米国大統領のドナルド・トランプなどが登場。

最初のエピソードが公開されるとすぐに、本物のローガンがリンクをツイートして
「これは、かなり紛らわしいことになるぞ」とコメントしている。

この番組は、YouTubeで50万回以上視聴された。なかにはAIで生成されたことを気にしないリスナーもいて
「わたしには十分すばらしい番組です」とレビューを書いた人すらいた。

「The Joe Rogan AI Experience」は、ローガンのいちファンによってつくられ、
クラウドファンディングで番組制作への寄付を募るページをもっている。

YouTubeでの収益化も図り始めたが、実際には儲けは期待していないという。
なぜなら、ローガンの声や肖像の使用許可をとっておらず、
配信プラットフォームによってこの手の模倣が禁止される可能性があることを認識しているからだ。

制作者がこの番組を制作したのは、AIの音声ツールでどれだけのことができるのかを示すため。
制作者はリスナーにとって聴きやすい流れになるように、ときには何日、何週間もかけてAIの音声を注意深く編集したが、
できあがった会話そのものに人を引きつける力があるとは考えていない。

どれだけ本物に似ている番組だったとしても、
「技術的な進歩を体感すること以外にこのポッドキャストを聴く意味はありません」
「ただの時間の無駄です」と制作者は語る。

また制作者はこれまで4つのエピソードを公開しているが、リスナーの数は毎回減っている。

 

2023年下半期に期待するAI技術

様々なAI技術を紹介してきましたが、今後おそらく登場するであろう
ポッドキャストの配信・視聴を楽にしてくれるサービスをご紹介します

・AIによる自動編集
ポッドキャスト配信の中で時間のかかる作業といえば『編集』
これを自動で行ってくれるサービスが『Adobe Podcast

会話を録音し、その内容をクラウドで自動的に書き起こし、
その音声をドキュメントと同じくらい簡単に編集できるようにしてくれます。

Adobe IDがあれば無料で利用可能ですが、現在「招待制」となっています。

このうち、収録済み音声データの音質をAIが改善する「Enhance speech
マイクのテストとセットアップをAIが支援する「Mic Check」は招待を受けていなくても
Adobe IDがあれば利用できます(どちらもリンクから使用できます)

 

・AIによる切り抜きの作成
YouTubeやTikTokでよく見る撮れ高部分だけを短くまとめた『切り抜き動画』
これを自動で作成してくれるサービス『Magic Clips

長い録音素材の中から魅力的な部分を短いクリップに変換。
ワンクリックで AI が録音内の重要な瞬間を特定し、編集。
さまざまなソーシャル メディア プラットフォーム向けに完全に最適化します。

 

・AIによる自動翻訳
喋っている音声を日本語⇆英語にしてくれるのが
Captions

精度は投稿を見て欲しい

このように日本語⇆英語を自動翻訳
そして字幕を生成してくれるアプリ『Captions

料金はサブスク制で月額だと1450円
年間だと7500円(1月当たり650円)

他国の言語を日本語にしてポッドキャスト聞けたり、
自分のポッドキャストを英語にして世界に向けた配信が
今後は出来るようになりそう。

 

ポッドキャストを配信する人はAI技術を使ったサービスを使う事で
配信までの準備を減らすことができます。

是非お試しください。

 

執筆者:ポッドキャスト制作会社
knock’x Media KON
(Twitter:https://twitter.com/konteer10)

 

 

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